売場にはPOPや什器、小冊子など多くの
販促ツールが設置されています。
ところが実際に「手に取ってもらえる売場」と
「素通りされる売場」には、
はっきりとした差があります。
その違いを生むのが、“メッセージ設計”です。
誰に、何を、どう伝えるか。
この軸を整理できている売場は、
短い時間でも確実にお客様の心をつかみます。
① ターゲットの「今の気持ち」をつかむ
まず重要なのは、商品の魅力を伝える前に
「誰に向けて話しているのか」を明確にすることです。
店頭には、
・なんとなく立ち寄ったライト層
・情報を集めている検討層
・習慣的に購入するファン層
といった複数の層が存在します。
たとえば健康食品の場合、
・ライト層には「試してみたくなる簡単さ」
・検討層には「信頼できる根拠」
・ファン層には「続ける理由」
と、伝えるべき内容は異なります。
「今、目の前にいるお客様はどの層なのか?」を
意識するだけで、言葉の方向性が明確になります。
② メッセージは“一言”で伝える
店頭での滞在時間は数秒。
長い説明や複雑な言い回しは読まれません。
まずは一言で商品の価値が伝わるメッセージを
つくることがポイントです。
例えば、
「1日1杯で鉄分補給」
「寝る前3分の新習慣」
「肌のハリ、2週間で実感」
数字や時間を使った短い表現は理解されやすく、
視覚的にも目に留まりやすくなります。
長いストーリーは冊子などにして、
POPは「最初のひと押し」に集中しましょう。
③ メッセージの“配置”を設計する
伝える内容が決まったら、
次は「どこで・どのツールで伝えるか」を整理します。
・店頭POP:最初に目に入る場所。短い一言とアイコンで即座に訴求
・什器:ブランド世界観を体感させる場。色や素材、配置も重要
・小冊子:興味を持った人に向けた“深掘り情報”
すべてを1枚のPOPに詰め込むのではなく、
ツールごとに役割を分担し、導線設計することで、
自然な流れでお客様の行動を促せます。
ありがちな失敗例
A:メッセージが複数あり、結局何が言いたいか分からない
B:ブランド目線の言葉になっている
C:デザインが派手すぎて内容が伝わらない
改善のポイント
A:1つのメッセージに絞る
B:お客様の“困りごと”から逆算して表現する
C:伝える言葉を主役にし、装飾は控えめにする
店頭販促の成否は、
メッセージが「届いているかどうか」に
大きく左右されます。
しかし、現場では「どこが伝わっていないのか」を
客観的に把握するのは簡単ではありません。
そこで役立つのが売場改善診断です。
売場改善診断では、棚割り・販促物・
導線設計を多角的に分析し、
「どのメッセージがどこで伝わっていないか」を
客観的に分析できます。

2025.10.17